1996年夏、東大アニメーション研究会から金曜六時の人々特集本が発行さ れたのは記憶に新しいことかと思う。今、この世で唯一「りりか」にまっとうに 向き合うことの出来る媒体だろう。かくいう自分もこれに向けて原稿を用意した かったわけだが、諸々のやむにやまれぬ事情が重なってどうしても執筆時間が組 めなかった。超過密スケジュールの中、無理矢理に2日間あけてりりかに対する 想いのたけを綴ったのが本編である。しかし不幸にも、脱稿して先方へ電送でき たのは入稿日の前日であった。当然間に合わない憂き目を見たわけである。
しかし死蔵するにはあまりに感情を打ち込みすぎていた。捨てられないのだ… …りりかへの心を誰かに伝えるまでは。やむをえず、自分で小冊子にして上記の 本の付録に付けてもらった。余った分については、原価を完全に割り込む形でコ ピーするより安く頒布した。ほぼ無料配布に近い。従って原文をそのままここで 公開することもさほど問題はないかと思う。もし、件の冊子を所有している人が これを見ているとしたら、どうかこの後は飛ばしていただきたい。
果たしてりりかは誰のために死を決意し、誰によって救われたのか。それは未 だ、監督の口から明かされてはいない謎である。